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熊田 俊明*
JNC TJ8400 2000-017, 74 Pages, 2000/02
本報告は、本研究シリーズの第2年度(1997年度)に提案した点熱源熱物性値測定法の精度向上と、ベントナイトと珪砂の混合材(分散物質)の熱伝導率の測定を行い、水分含有ベントナイトおよび珪砂混合緩衝材の熱物性値の推算法を確立することを目的とする。緩衝材の熱物性値は、荷重によって決まる密度、水分含有率、珪砂の混合率などによって異なる。緩衝材は使用期間に、種々の温度や荷重および水分含有率の環境に置かれると考えられ、このような緩衝材の熱物性値を知ることが必要である。ベントナイトと珪砂の混合材を分散物質として、既存の分散物質の熱伝導率推算法と既存および本研究における測定値を比較することにより、より精度良い推算式を特定した。既存の熱伝導率推算式では、Frickeの回転楕円体をランダムに分散した場合の推算式と熊田の考案した任意の形状の分散体を回転楕円体に換算する方法を用いれば、精度よく混合材の熱伝導率を推算できる。また、球状分散体に適用する推算式であるBruggemanの式によっても実用上十分な精度で珪砂混合緩衝材の熱伝導率を推算できる。
千々松 正和*; 藤田 朝雄; 杉田 裕; 谷口 航
JNC TN8400 2000-008, 339 Pages, 2000/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分における廃棄体定置後のニアフィールドでは、廃棄体からの放熱、周辺岩盤から人工バリアへの地下水の浸入、地下水の浸入による緩衝材の膨潤圧の発生、周辺岩盤の応力変化などの現象が相互に影響することが予想される。このような、熱-水-応力連成現象を評価することは、ニアフィールド環境の明確化の観点から重要な課題の一つである。熱-水-応力連成現象を明らかにするためには、まず個々の現象に関わるメカニズムを明らかにする必要がある。そのため、不飽和ベントナイトの伝熱特性、浸潤特性、膨潤特性等に関する各種要素試験が実施されている。また、熱-水-応力連成現象を実際に観測し、どのような現象が発生しているのか把握する必要もある。そのため、熱-水-応力連成現象に関する工学規模室内試験および原位置試験等が実施されている。さらに、熱-水-応力連成現象を評価するためのモデルも同時に開発されており、工学規模室内試験および原位置試験等を用いて、モデルの妥当性および適用性の検討が実施されている。本報告では、これら熱-水-応力連成モデルの開発に関する一連の検討結果を示す。本報告の構成は以下の通りである。第1章では、高レベル放射性廃棄物の地層処分における熱-水-応力連成評価の必要性について示す。第2章では、熱-水-応力連成解析評価に必要な岩石および緩衝材粘土の物性値取得に関する室内試験結果を示す。試験対象は釜石鉱山とし、岩石に関する試験は釜石鉱山で採取された供試体を用い、粘土に関してはベントナイト単体(クニゲルV1,OT-9607)およびベントナイトとケイ砂の混合体を対象とした。第3章では、原位置における岩盤物性試験の結果を示す。原位置試験は釜石鉱山における試験坑道内で実施した。実施した試験は、亀裂特性調査、透水試験、試験坑道床盤に掘削した試験孔内への湧水量の測定である。第4章では、室内および原位置試験で得られた岩盤物性値を用い、第3章で示した試験孔内への湧水量の解析評価を行なった。解析は連続体モデルおよび不連続体モデルの両者を用い実施した。第5章では、釜石鉱山で実施した熱-水-応力連成試験結果を示す。直径1.7m,深さ5.0mの試験孔を坑道床盤に掘削し、試験孔内に緩衝材および発熱体を設置し、連成試験を開始した。連成試験としては、発熱体の加熱を行なう加熱試験を約260日間、発熱体停
棚井 憲治; 佐藤 治夫; 村上 文啓*; 井上 雅弘*
JNC TN8400 99-045, 108 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリア候補材料の一つである炭素鋼オーバーパックから発生した水素の緩衝材中の移動特性と水素ガスが及ぼす影響について検討するため、緩衝材の候補材料であるベントナイト単一材料および30wt%ケイ砂混合材料を対象とした溶存水素の拡散試験およびガス移行試験を実施し、基本データの取得およびガス移行メカニズムの把握を行った。また、これらの試験により得られたデータに基づいて拡散およびガス移行それぞれに関わる解析的検討を実施した。溶存水素の拡散試験結果から、ケイ砂混合系(ケイ砂混合率30wt%,乾燥密度1.6Mgm-3)での拡散係数は、10-11m2s-110-10m2s-1の範囲にあり、諸外国の試験結果の範囲とほぼ一致していた。また、拡散係数は、乾燥密度1.6Mgm-3に比べて1.8Mgm-3の値がやや小さく、また、25に比べて60の時の値の方がやや大きい傾向を示した。ガス移行試験においては、ベントナイト単一材料で乾燥密度1.8Mgm-3の場合におけるガス有効浸透率は、10-2110-20m2程度であり、30wt%ケイ砂混合系で乾燥密度1.6Mgm-3の場合10-17m2程度である。また、ガスがベントナイトを透気するための破過圧力は乾燥密度に比例して大きくなる傾向にあるとともに、膨潤応力にほぼ比例しており、その値はおおむね膨潤応力程度と推定された。さらに、繰り返し試験結果から、ガスの移行によって緩衝材中に生成される移行経路は、ベントナイトの自己シール性によって修復されることがわかった。溶存水素の拡散解析の結果からは、炭素鋼オーバーパックの腐食速度を5my-1,溶存水素の拡散係数を2x10-11m2s-1とした場合、水素発生開始から1万年後にはオーバーパックと緩衝材の界面にガス発生量の81%程度が蓄積するとともに、その蓄積圧力は16MPa程度であることがわかった。一方、ガス移行解析では、発生した水素ガスのほぼ全量が周辺岩盤に移動するとともに、間隙圧力への寄与は小さく、かつ、緩衝材中の間隙水の排出量も30年以降ほぼゼロに近い値となることがわかった。これらより緩衝材や岩盤の構造力学的安定性や核種移行に影響を与えないことが示された。
高治 一彦; 鈴木 英明*
JNC TN8400 99-041, 76 Pages, 1999/11
緩衝材には、止水性、自己シール性、核種収着性、熱伝導性、化学的緩衝性、オーバーパック支持性、応力緩衝性等が長期にわたり維持されることが期待されている。これらの機能を比較的満足し得る材料として、天然に産する粘土が注目され、中でも圧縮されたベントナイトは、非常に低い透水性による水の動きの抑制、水の浸潤に伴い膨張し圧縮ベントナイト中の間隙や隣接する岩盤中の割れ目への充填、陽イオン核種を収着する陽イオン交換能を有している等の点で優れており、緩衝材として最も有力であると考えられている。サイクル機構では地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および安全評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告書は、緩衝材としての圧縮ベントナイトの力学特性の把握を目的として、圧裂試験、一軸圧縮試験、一次元圧密試験、圧密非排水三軸試験、圧密非排水三軸クリープ試験についての手順、試験条件、結果および考察について、これまで取得されていなかった物性や、既報を補完するための追加試験等に関してまとめたものである。圧裂試験結果よりケイ砂混合率、乾燥密度と引張強度の関係等、一軸圧縮試験結果より含水比、乾燥密度と一軸圧縮強度、弾性係数の関係等、一次元圧密試験結果より圧密応力と間隙比の関係等、圧密非排水三軸試験結果より有効拘束圧毎の応力経路等、圧密非排水三軸クリープ試験より、載荷応力毎のひずみ速度の経時変化等を把握することができた。
杉田 裕; 藤田 朝雄; 棚井 憲治; 長谷川 宏; 古市 光昭*; 奥津 一夫*; 三浦 一彦*
JNC TN8400 99-039, 58 Pages, 1999/11
高レベル放射性廃棄物の処理処分に関しては、最終的には人間の生活圏から隔離することが必要との考え方に基づき、安定な形態にガラス固化し、30年間から50年間程度の冷却のための一時貯蔵をした後、地下の深い地層中に処分(地層処分)を行うことが基本方針とされている。処分場を積極的に埋め戻すという概念は地層処分に固有のものである。処分場の地下施設を埋め戻すのは、たとえば人工バリアを設置するために地下深部に掘削された坑道を空間のまま放置しておくと、地圧の作用により坑道の力学的安定性が損なわれたり、坑道そのものが地下水の卓越した水みちとなるなど、処分場に求められるバリア性能に有意な影響を及ぼすことが想定されるからである。これらバリアシステムに影響を与える要因を排除するため、廃棄体が定置された後の地下深部に掘削された坑道等は適切に処置しておく必要がある。廃棄体定置後に残された地下施設を埋め戻す材料を埋め戻し材という。本報告では、埋め戻し材として検討した。ここでは、混合する骨材として地下施設の建設時に大量に発生するずり(岩盤の破片)を模擬した礫およびケイ砂を用いた。また、埋め戻しでは必要に応じてプラグやグラウトを設置することとなる。プラグはその機能によってコンクリート材と粘土材が考えられ、グラウトもこれと同様のものが考えられる。本報告では、埋め戻しの概念、骨材混合体の諸物性、埋め戻し材、プラグ、グラウトの機能、施工法、工程についてとりまとめた。さらに、埋め戻し材、プラグ、グラウトの材料である骨材混合体、コンクリート材および粘土材料ごとに品質管理項目を抽出した。
佐藤 治夫
JNC TN8400 99-064, 22 Pages, 1999/10
本研究では、拡散に及ぼす圧縮ベントナイトの間隙構造因子の影響を評価するため、非収着性のトリチウム水(HTO)を用いて以下に示す4種類の拡散実験を行った。(1)圧縮ベントナイトの圧縮方向をパラメータとした透過拡散実験[圧縮方向の影響](2)圧縮ベントナイト中の珪砂混合率をパラメータとした非定常拡散実験[珪砂混合率の影響](3)圧縮ベントナイトの初期粒径をパラメータとした非定常拡散実験[初期粒径の影響](4)圧縮ベントナイト中に単一亀裂がある場合の含水修復期間をパラメータとした非定常拡散実験[亀裂の影響](1)については、クニゲルV1とクニピアF(クニゲルV1を精製してNa型スメクタイトを95wt%以上にしたもの)を対象に、乾燥密度1.0と1.5Mg・m-3に対して実効拡散係数(De)を圧縮方向を変えて測定した。(2)については、クニゲルV1を対象に、見掛けの拡散係数(Da)を乾燥密度0.8,1.4,1.8Mg・m-3、珪砂混合率30と50wt%に対して測定した。(3)については、粒径が0.15mmと粉末状であるクニゲルV1より大きい、粒状ベントナイト(OT-9607)を対象に、Daを乾燥密度0.8,1.4,1.8Ma・m-3に対して測定した。(4)については、乾燥密度1.8Mg・m-3の含水飽和ベントナイトに人工的に貫通した亀裂を入れ、7または28日間再含水させ、Daを測定した。(1)については、クニゲルV1には全密度ともDeに圧縮方向依存性は見られなかったが、クニピアFでは、圧縮方向に対して直角方向からの方が軸方向からより大きなDeとなった。(2)のベントナイト中の拡散係数に及ぼす珪砂混合率の影響については、全乾燥密度ともDaに影響は見られなかった。(3)の拡散係数に及ぼす初期ベントナイト粒径の影響については、粒状ベントナイト(OT-9607)に対するDaが粉末状であるクニゲルV1の場合と全密度ともほぼ同じであり、ベントナイトの初期粒径の影響は見られなかった。(4)のベントナイト中の単一亀裂の修復特性については、Daに及ぼす亀裂の修復期間依存性や亀裂の影響は見られなかった。これらのことから、圧縮ベントナイト(クニゲルV1)の間隙構造は、ベントナイトの圧縮方向の影響、珪砂混合率の影響、及び初期粒径の影響を受けにくく、貫通した亀裂が発生した場合においても短時間で亀裂
佐藤 治夫
JNC TN8400 99-060, 12 Pages, 1999/10
ベントナイト中の見掛けの拡散係数(Da)に及ぼす珪砂混合の影響を評価するため、Na型ベントナイト(クニゲルV1)を対象として、Cs(Cs+), Ni(Ni2+), Se(SeO332-)のDaを乾燥密度1.8Mg・m-3、珪砂混合率30wt%、室温の条件にてin-diffusion法により測定した。Cs及びNiについては大気雰囲気下で、また、酸化還元電位に敏感なSeについてはAr雰囲気の低酸素条件(酸素濃度0.1ppm未満)で測定した。その結果、Cs及びSeのDaには珪砂混合の影響は認められず、得られたDaは、これまでに報告されている珪砂が混合されていない系での値と同程度であった。一方、Niについては、珪砂混合系でのDaは混合されていない系での値より2桁小さい値が得られた。これまでに報告されているNiのDaは安定同位体のトレーサを用いて測定されており、本研究で用いたNi濃度よりかなり高い濃度のトレーサが使用された。さらに、クニゲルV1の主要粘土鉱物であるNaモンモリロナイトに対するNiの分配係数(Kd)は、Ni濃度の増加に伴って小さくなることが報告されている。このことから、珪砂混合系でのベントナイト中のNiのDaが大きく減少したのは、間隙水中でのNi濃度の違いによる収着の違いによるものと考えられる。
大久保 博生*
JNC TJ1400 99-009, 19 Pages, 1999/02
本年度は、まず前年度までに作成した総合評価フレームに基づき、情報の不確実性を考慮した場合についても最適ケイ砂混合率が得られるように求解プロセスを改良・拡張した。次に、核種吸着性能に関するデータ情報の不確実性を定量的手法によって、分析した。最後に、改良化した総合評価フレームを用いて、吸着性能の不確実性が最適ケイ砂混合率に与える影響を分析した。
大久保 博生*
JNC TJ1400 99-008, 77 Pages, 1999/02
本年度は、まず前年度までに作成した総合評価フレームに基づき、情報の不確実性を考慮した場合についても最適ケイ砂混合率が得られるように求解プロセスを改良・拡張した。次に、核種吸着性能に関するデータ情報の不確実性を定量的手法によって、分析した。最後に、改良化した総合評価フレームを用いて、吸着性能の不確実性が最適ケイ砂混合率に与える影響を分析した。
大久保 博生*
PNC TJ1222 98-008, 34 Pages, 1998/02
本年度は、まず前年度までに作成した総合評価フレームに基づき、最適ケイ砂混合率求解プロセスを大域的最適点を決定するプロセスに改良化した。次に、物質移動抑制機能に関し、前年度解析した分子軌道に基づくベントナイトの吸着機能計算結果等をもとに、ケイ砂混合率の変化が吸着機能に与える影響可能性を概略的に検討した。最後に、改良化した総合評価フレームに吸着機能のケイ砂混合率依存性の想定結果を適用できることを確認した。
大久保 博生*
PNC TJ1222 98-007, 135 Pages, 1998/02
本年度は、まず前年度までに作成した総合評価フレームに基づき、最適ケイ砂混合率求解プロセスを大域的最適点を決定するプロセスに改良化した。次に、物質移動抑制機能に関し、前年度解析した分子軌道に基づくベントナイトの吸着機能計算結果等をもとに、ケイ砂混合率の変化が吸着機能に与える影響可能性を概略的に検討した。最後に、改良化した総合評価フレームに吸着機能のケイ砂混合率依存性の想定結果を適用できることを確認した。
上田 真三*
PNC TJ1211 98-002, 46 Pages, 1998/02
動力炉・核燃料開発事業団では、2000年3月までに性能評価レポートを作成する予定である。本研究は、レポート作成にあたって必要とされる核種移行データベース及び評価用モデルを整備することを目的として平成8年度に引き続き実施したものである。主な実施内容を以下に示す。1.重要元素の核種移行データベースの整備21元素に対し、OH、CO23、Cl、F、SO42、PO43を対象とした溶液中の化学種及び固相のデータ整備及びその国際的専門家のレビューを行った。また、岩石などへの17元素の収着データ及び7元素の拡散データ整備を行った。ベントナイトに関してはPuの収着性及び拡散データベースの整備を行った。2.データベース整備に係わるデータ取得ベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩を対象にThの収着試験を実施した。またベントナイトを対象にRa、Np、Tc、U、ケイ砂混合ベントナイトを対象にCs、Se、Niの拡散試験を実施した。3.ベントナイトの間隙水水質推定モデルの検討イオン交換モデルにおける吸着化学種の活量補正について評価を行った。また空隙水組成に及ぼす不純物の影響に検討し、空隙水pHに対して方解石、石膏、硫化鉄の存在が影響することを明らかにした。4.コロイドの核種移行に与える影響の評価Hwangらのモデルを確証するためのデータ取得試験を実施するとともに、コロイドの存在が核種移行に与える影響の評価を行った。
上田 真三*
PNC TJ1211 98-001, 824 Pages, 1998/02
動力炉・核燃料開発事業団では、2000年3月までに性能評価レポートを作成する予定である。本研究は、レポート作成にあたって必要とされる核種移行データベース及び評価用モデルを整備することを目的として平成8年度に引き続き実施したものである。主な実施内容を以下に示す。1.重要元素の核種移行データベースの整備21元素に対し、OH、CO23、Cl、F、SO42、PO43を対象とした溶液中の化学種及び固相のデータ整備及びその国際的専門家のレビューを行った。また、岩石などへの17元素の収着データ及び7元素の拡散データ整備を行った。ベントナイトに関してはPuの収着性及び拡散データベースの整備を行った。2.データベース整備に係わるデータ取得ベントナイト、花崗閃緑岩、凝灰岩を対象にThの収着試験を実施した。またベントナイトを対象にRa、Np、Tc、U、ケイ砂混合ベントナイトを対象にCs、Se、Niの拡散試験を実施した。3.ベントナイトの間隙水水質推定モデルの検討イオン交換モデルにおける吸着化学種の活量補正について評価を行った。また空隙水組成に及ぼす不純物の影響に検討し、空隙水pHに対して方解石、石膏、硫化鉄の存在が影響することを明らかにした。4.コロイドの核種移行に与える影響の評価Hwangらのモデルを確証するためのデータ取得試験を実施するとともに、コロイドの存在が核種移行に与える影響の評価を行った。
深沢 栄造*; 田中 益弘*; 山本 博之*; 平 和男*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; 羽根 幸司*; 青柳 孝義*; 森川 誠司*; 古市 光昭*
PNC TJ1100 98-006, 434 Pages, 1998/02
TRU廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と比較して発生量が多いが、発熱性があるものが少ないため、深地層中に大空洞を掘削して処分することが合理的である。またTRU廃棄物は、半減期が十万年以上の核種を含有するため、長期間にわたりこれを人間環境から隔離することが要求される。本研究では処分システムの長期健全性に係わる重要事象の検討と、大空洞処分技術の開発、及び設計研究を実施した。本年度の研究成果を以下に示す。1)平成7年度及び8年度に抽出・検討した事象について、漏れがないことを他研究の成果を踏まえて再検討した上で事象を整理した。また抽出された各事象に対する現状の知見、設計の考え方、課題・対応を整理し、今後の検討の方向性を明確にすることができた。2)人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性評価の一環として、人工バリア材料のうち、ベントナイトの周辺に空隙が発生したことを想定し、飽和ベントナイトの自己シール状況の把握と止水機能の確認及び体積変化後の密度分布変化を調べた。また、自己シール性確認実験を補完することを目的に飽和ベントナイト試料に対する膨潤試験を行った。これらの結果を基に、人工バリア材の体積変化に対するシステム健全性の評価を行った。3)処分システム閉鎖直後の状態を想定し、不飽和状態における底部ベントナイト層の変形挙動ならびに支持力評価を行った。また、平成7年度に実施した飽和状態における変形挙動に関しても再検討を行った。4)平成8年度の委託研究で調査した「大久保モデル」を用いて試解析を実施し、大空洞の処分システム成立性の見通しを検討した。5)ナトリウム型ベントナイト単体、カルシウム型に変質させたベントナイト単体、天然のカルシウム型ベントナイト単体およびカルシウム型に変質させたベントナイトにケイ砂を混合した材料に対し、飽和水酸化カルシウム水溶液を通水させた系で膨潤圧、透水係数を試験により取得した。6)これまで処分システム設計で考慮しているいくつかの処分方式に対し、数値解析法により空洞の安定性を評価した。解析結果により得られる変形、緩み領域を用いて構造的安定性の評価を行うことができた。
大久保 博生*
PNC TJ1222 97-007, 97 Pages, 1997/03
本年度は、まず前年度までに作成した総合評価フレームに基づき、統計解析フレームに最適点を決定するプロセスを追加した。次に、物質移動抑制機能に関し、分子軌道に基づくベントナイトの吸着機能の計算を行った。最後に改良化した緩衝材機能評価フレームに、吸着機能計算結果を反映する方法を検討した。
大日方 克人*
PNC TJ1211 97-010, 23 Pages, 1997/03
動燃事業団では、2000年3月までに性能評価レポートを提出する予定である。本研究は、このために必要とされる核種移行評価用データベース及び評価用モデルを整備することを目的として実施した。主な実施内容は以下の通りである。1.重要元素の熱力学データベースの整備Pu、Th、U、Np、Pa、Am、Cm、Ac、Sm、Ra、Sn、Zr、Ni、Pd、Tc、Se、Po、Pb、Nb、Bi、Sbについて、熱力学データベース(PNC-TDB)のレビューを行った。2.重要元素のベントナイト等への収着データベース(SDB)の整備核種の吸着/拡散データシステム(ISD)に従って、Ac、Bi、Nb、Pa、Pb、Pd、Po、Sb、Sm、Zrを対象に、収着データについて文献調査を行った。また、Pdを対象として、収着モデルに関する検討を行った。3.重要元素に対する圧縮ベントナイトを中心とした拡散データベースの整備収着データと同様、ベントナイトの拡散データについても文献調査を行った。また、還元雰囲気中でのUとTcの見かけの拡散試験、トリチウム水を用いてケイ砂混合、粒状ベントナイト、亀裂等による影響についても実験的に調べた。4.ベントナイトの空隙水化学とデータベース間の整合性に関する検討ベントナイト随伴鉱物による空隙水のpH、CO2分圧等による影響について検討を行った。5.吸着/拡散を統合する粘土表面化学的考察ベントナイトに対する核種の吸着/拡散を統合する評価モデルの検討を行った。6.コロイドの核種移行に与える影響評価亀裂中でのコロイドの移行評価モデルについて調査するとともに、その適用性について検討を行った。
大日方 克人*
PNC TJ1211 97-009, 620 Pages, 1997/03
動燃事業団では、2000年3月までに性能評価レポートを提出する予定である。本研究は、このために必要とされる核種移行評価用データベース及び評価用モデルを整備することを目的として実施した。主な実施内容は以下の通りである。1.重要元素の熱力学データベースの整備Pu、Th、U、Np、Pa、Am、Cm、Ac、Sm、Ra、Sn、Zr、Ni、Pd、Tc、Se、Po、Pb、Nb、Bi、Sbについて、熱力学データベース(PNC-TDB)のレビューを行った。2.重要元素のベントナイト等への収着データベース(SDB)の整備核種の吸着/拡散データシステム(ISD)に従って、Ac、Bi、Nb、Pa、Pb、Pd、Po、Sb、Sm、Zrを対象に、収着データについて文献調査を行った。また、Pdを対象として、収着モデルに関する検討を行った。3.重要元素に対する圧縮ベントナイトを中心とした拡散データベースの整備収着データと同様、ベントナイトの拡散データについても文献調査を行った。また、還元雰囲気中でのUとTcの見かけの拡散試験、トリチウム水を用いてケイ砂混合、粒状ベントナイト、亀裂等による影響についても実験的に調べた。4.ベントナイトの空隙水化学とデータベース間の整合性に関する検討ベントナイト随伴鉱物による空隙水のpH、CO2分圧等による影響について検討を行った。5.吸着/拡散を統合する粘土表面化学的考察ベントナイトに対する核種の吸着/拡散を統合する評価モデルの検討を行った。6.コロイドの核種移行に与える影響評価亀裂中でのコロイドの移行評価モデルについて調査するとともに、その適用性について検討を行った。
not registered
PNC TJ1150 97-005, 38 Pages, 1997/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の調査の結果、いくつかの細菌において、pH9以上で生育することが分かった。脱窒細菌については、pH9.5以上では活性がないことを確認した。メタン生成菌及び脱窒細菌によるガス発生量の測定のため、栄養素を変えた条件で集積培養を開始し、いくつかの条件でガスが発生していることを確認した。微生物のベントナイト中の移行挙動の評価を行った。この結果、圧密密度1.2g/cm3、ケイ砂を50wt.%混合したベントナイトについては、透過する可能性があることが分かった。ベントナイト100wt.%、圧密密度1.8g/cm3では、透過が観察されなかった。硫酸塩還元細菌とPu、Npの共存条件における硫酸塩還元細菌に対するPu、Npの分配係数(Kd)は、滅菌した場合よりしない場合の方が高い値を示した。また、この傾向は、ベントナイト共存下においても同様であった。
not registered
PNC TJ1150 97-004, 92 Pages, 1997/03
耐アルカリ性メタン生成細菌の調査の結果、いくつかの細菌において、pH9以上で生育することが分かった。脱窒細菌については、pH9.5以上では活性がないことを確認した。メタン生成菌及び脱窒細菌によるガス発生量の測定のため、栄養素を変えた条件で集積培養を開始し、いくつかの条件でガスが発生していることを確認した。微生物のベントナイト中の移行挙動の評価を行った。この結果、圧密密度1.2g/cm3、ケイ砂を50wt.%混合したベントナイトについては、透過する可能性があることが分かった。ベントナイト100wt.%、圧密密度1.8g/cm3では、透過が観察されなかった。硫酸塩還元細菌とPu、Npの共存条件における硫酸塩還元細菌に対するPu、Npの分配係数(Kd)は、滅菌した場合よりしない場合の方が高い値を示した。また、この傾向は、ベントナイト共存下においても同様であった。
日比谷 啓介*; 稲葉 武史*; 塩釜 幸弘*; 升元 一彦*; 深沢 栄造*; 平 和男*; 田中 俊行*; 近藤 嘉広*; 山本 正明*; 奥津 一夫*; et al.
PNC TJ1100 97-004, 69 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、廃棄体の定置後、処分のために建設した地下構造物を人工バリア材の一つである埋戻し材、プラグ材、グラウト材により閉鎖し、廃棄体の隔離性能を長期にわたり確保する必要がある。そこで、わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため、室内試験および原位置試験を通じてこれらの性能を定量的に評価していくことが必要である。本年度は、粘土プラグの性能を評価するため、室内透水試験を実施するとともに、原位置試験の設計検討を実施した。(1)圧縮珪砂ベントナイトによるプラグを模擬した高水圧透水試験を行い、プラグの透水特性を検討した。(2)カナダのURLサイトにおける横坑シーリング試験の事前検討を行い、具体的な施工方法や試験方法を選定した。